いつの間にか雨はあがっていて、夏の日差しが照りつけていた。
美輪子が窓の外に虹を見つけ、それに気をとられていた時、男の手がスカートの中に滑り込んできた。一瞬ビクッとしたが、美輪子は男の方を見ずに窓の外の虹を見続けていた。
男の手はしばらく美輪子の太ももを撫でていたが、スッと人差し指をパンティの中に入れた。
「濡れてるでしょ」
美輪子は男のほうに向きなおると、男の耳元でささやいた。
「椅子のスプリングが変に出っ張ってて、それがちょうどあそこに当たって、エンジンがブルブルするもんだから、それで感じちゃったの。混んでるし、身動き取れないし、変な声出すわけにもいかないし、実はずっと苦しかったんだ」
思いきって男に本当のことを打ち明けたのは、男を挑発したかったからだ。
今日はなぜかオナニーではなくセックスがしたい。
男が少し体をずらしてくれたので、美輪子は座席の突起からずれて座ることができた。
だが、今度は男の指が美輪子の股間を襲う。
美輪子の降りるバス停は次だった。男の指は美輪子のクリトリスを探り当てると愛撫し始めた。
(もう感じてきちゃった。椅子よりももっと感じる。もう頭がぼーっとしてきたわ)

美輪子は自分以外の指で愛撫されるのは久しぶりだった。男の指が激しく動くため、スカートはめくれあがりパンティが丸見えになっている。
前の座席でうまく隠れているので、運転手や他の乗客には二人の行為はわからないはずだと、美輪子は思った。
男の人差し指がクリトリスから外れ、ヴァギナの中にすっと差し込まれた。
美輪子は耐えきれなくなり、
「あん」
と声を漏らした。
「次はあけぼの市立病院前」
というアナウンスが美輪子の声と重なった。
(降りなくちゃ。でも、もうイキたくてたまらない。どうしよう)
バスが病院の前に到着し、ドアが開いた。美輪子は降りることができなかった。さらに男の愛撫は続いた。
(つづく)