ストリップを主催しているオーナーは、美輪子が小さい時から、父に会いに家によく来ていた。でも、こんな仕事をしているとは、思いもしなかった。
「ストリッパーにならないか?」
とオーナーに言われて、初めはもちろん驚いた。だが、父の入院費用がかかることもあり、美輪子はオーナーの誘いを受けストリッパーになることにしたのだ。
客は美輪子の体をじっと見ているだけで、決して触ったり、ましてやセックスをすることはなかった。ガムランの音楽が鳴る中で、一枚、一枚服を脱ぎ、自分で胸を揉んだり、股を開いて挑発的なポーズをとる。美輪子は人に自分の裸を見られているということに、次第に興奮するようになった。
ショーが終わる頃には愛撫されていたわけでもないのに、股間がぐしょぐしょだった。仕事を終えて家に帰ると、何をするよりも先におナニーをして、体の火照りをしずめずにはいられなかった。
ついこの間も、玄関で靴も脱がずに胸を丸出しにして乳首をつまみ、パンティの中に手を入れた。指は一本では足りなくて、二本、3本と増え、ついにはにぎりこぶしをヴァギナに突っ込んでぐりぐりと回して、思いっきり声を上げて達してしまった。

それなのに、裸になってシャワーを浴びているとまた興奮してきて、シャワーの水圧を上げて股間にあてて、また達した。
ストリップの後のオナニーは最高だ。
美輪子はストリップの仕事をするようになってから男と寝ていない。自分一人でこんなに気持ちいいのに、相手に気を遣ってまでセックスなどしたくないと、思うようになってしまったのだ。
ようやくバスがスムーズに動くようになり、市役所の前のバス停で人がどっと降りた。美輪子の降りる停留所まであと五つほどになり、後部座席に座っているのは、男と美和子だけになった。
バスの中にはもう人はまばらで、前の方に数名のお年寄りが座っているだけだ。
男は座席が空いても、美輪子の隣にピッタリと膝をつけて座っており、少しも動こうとしなかった。そのせいで美輪子は体を動かすことができなかった。
相変わらず、バイブのような椅子の振動に耐えている美輪子。男がいったいどうするつもりなのか、じっと考えていた。
(つづく)